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大喜利は例示だ

大喜利は、例示だ。
言ってしまえばそういうことだ。

「お題に沿って面白いことを書きなさい」
というのはあくまで建前である。
その言葉の真の意味は、
「お題にあてはまる例を挙げなさい」
である。

つまり、
「携帯電話の新機能」というお題があったとして、
回答者に求められているのは、
「携帯電話の新機能の例」
なのだ。

これは、一見すると当たり前のことのように感じるが、
実のところ、面白い発見へとつながる大きなポイントなのではないか。



大喜利のテクニックのひとつに、
「第三者的単語を入れてボケる」というのがあるらしい。
お題とは別角度の、言わば関係のない単語をボケに織り込むことで
突飛な世界観を生み出せる、という手法だ。
利点の一方で、
「全然関係ない単語があるから、お題に沿っていない」
という批判があることは明白だろう。

この批判は的確だろうか。
先の「携帯電話の新機能」というお題に向かってみよう。
このお題に対しての第三者的、全く関係ない単語を挙げてみる。
例えば、「仏像」なんかはどうだろう。
最先端技術の結晶である「携帯電話」と
古き日本文化の代名詞である「仏像」の間には、
たしかにあまり接点を感じられない。

あまり批判を受けないように回答するならば、
「仏像みたいにでかい」などが考えられるだろうか。
ただ単に「でかい」と書くよりはひねった回答に見える。
しかし、この程度ならば批判は生まれなそうだ。

私は、その理由を「明白な比喩だから」、
あるいは「直喩だから」だと推測する。

「みたいに」だとか「ような」といった
明らかに比喩とわかるような語句を付け足すことによって
「これは比喩なんだよ」「例えばの話ね」
という理由付けによるボケの正当化が図れるのではないか。

明らかに例えばの話だとわかれば、
ある程度多数の同意を得られる、ということだ。

直喩でなくても同じことは言える。
「遠くの仏像を動かせる」とか
「仏像の親指になる」は、おそらく許される。

「(例えば)遠くの仏像を動かせる(機能がある)」
「(例えば)仏像の親指になる(機能がある)」
と、頭の中で補完することができ、
見る側が、明らかに比喩だと認識できるからだ。

では、ここで出したボケが、
「仏像の見ている空」だったらどうだろう。
批判があってもおかしくはない。
なにせ、新機能の例を答えるお題なのに、
この野郎ときたら、わけのわからないことを書いて
ひとりで満足しようとしている。

このボケが批判される理由は、
今までのことを考えればわかる通り、
「比喩として認識できる範疇を超えている」からだ。

大喜利は、例示である。
回答が例、比喩であると認識させられなければ、
ある程度の批判は免れ得ない、という理屈だ。



もっとも、比喩の認識には個人差がある。
何が言いたいかといえば、
「仏像の見ている空」を、
比喩だと認識することも可能だ、ということだ。

そこで出てくるのが、「隠喩である」という認識だ。
つまり、投票者の中には、

「仏像の見ている空のように、
透き通った静寂を表すことのできる携帯電話ということか」

と、(少々無理矢理だが)考える層もいるのだ。

「お題に沿っていない」という意見は、主観にすぎない。
比喩の可能性は無限大であり、
どんな回答であっても、それを比喩として認識できる層は存在するのだ。

そこに、「大喜利は、例示だ」の面白さがあると、私は考える。




以上、「」を駆使するとそれなりにまともな文章にみえるのだろうかテストでした。
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Comment

無題
  • ふかし
  • 2012-01-16 22:34
  • edit
こんばんは、初めてコメントします
”「お題に沿っていない」という意見は、主観にすぎない”
っていうところあーそうだなあと思いました
自分の中で広がったものを相手にどう伝えるか、文章にするかが難しくて面白いところだなーと思いました。自分の中では物語があるんだけどうまく言葉にできないっていうことが多々あります

面白いなあと思いながらブログ拝見させていただいております。これからの記事も楽しみにしています!


無題
  • 泥ロボ
  • 2012-01-17 18:58
  • edit
>ふかしさん
うわあいどうもー
そう言っていただけるとは幸いです
受け取る側に伝えるのはむつかしいですねー
ただ、いっそ受け取らんでもいいー
とやけになってる人が好きです
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