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誰がためにボケは成る

 
「お前を俺が笑わせる、お前も俺を笑わせろ」
大喜利PHP PV3より)

という言葉がある。
 
この言葉に時折疑問を感じる。
はて、私はいままで「笑わせよう」と思い、ボケを投稿したことがあっただろうか。
 
まあ大喜利なのだから、誰かが笑い、誰かが笑わせる。
この構図は間違いなくあるのだろう。
しかし、私はこれまで、「誰かを笑わせてやる!」と思って投稿したことがあまりない。
言いかえれば、「他人の為に」投稿したことがあまりない。
そもそも「他人」とは誰だ
 
お笑い芸人は笑いをつくる。
彼らが生きていくためには笑わせることが必要だからだ。
彼らはお客を笑わせ、対価を得る。
お金だったり、名声だったりを得る。
 
だが、その構図はネット大喜利においては成立しにくい。
1geraにつき10円が振り込まれるような仕組みではないし、
ネット大喜利界における名声というのも、ピンとこない。
 
以前、大喜利実況ラジオをしている方に、こう質問したことがある。
「ラジオって別にお金がでるわけでもなんでもないよね、なんでラジオしてるの?」
答えは、「俺が面白いから」だった。
なるほど、それならば納得だ。
自分が楽しむためにやる。これ以上の動機はない。
 
なんだじゃあ別に、誰の為でもなく、自分の為にボケるのは間違っちゃいないな。
満足感とか、自尊心とか、そういうものの為にボケていけばいい。
 
と、そこまで考えて、ちょっと待て、と思う。
私には、「笑わせてやる!」と思った経験があった。
もっともそれは大喜利PHPでの話ではない。
ニコニコ生放送での話だ。
 
ニコニコ生放送と大喜利PHPで決定的に違うこと。
それは、「面白さの基準」が目に見えるかどうかだ。
ニコ生で催される大喜利は、オーナーが「面白いボケ」を決める場合が多い。
選ぶのはオーナーひとりだから、面白さの基準は明白だ。
オーナーのツボに合わせればいい。
オーナーを笑わせればいい。
 
翻って、大喜利PHPにはそのような明白な基準は存在しない。
誰かひとりのツボに合わせても、その他の人の笑いにはつながらない。
誰かひとりの票をとりつづけても、得票には必ずしもつながらない。
そもそも、投稿回によって投票する人は変わる。
「誰かを笑わせてやる」の「誰か」が不確定なのだ。
 
ここで、直近の話題に触れてみよう。
大喜利PHPに新しいルールが導入された。
無茶振りなど大喜利のお題として不適当な物を何度も出すのは禁止
というものだ。
これについては不満がある人もいるだろう。
「なんでもいいから面白いことが書きたい」
「この無茶振りにどう対応するか見てみたい」
「俺は無茶振りの方がボケやすい」
そういった感情は、少なからずあったはずだ。
このルールはそれらを妨げるものだから、受け入れがたいという理屈もしっくりくる。
 
しかし、ここでひとつ私見を述べたい。
もしかして大喜利PHPは利他的な考えを推奨しているのでは?
ある一定の人がボケやすいと思うお題が出るように、
ある一定の人が面白いと感じるボケが出るように、誘導しているのでは?
 
もっと言えば、
「誰かを笑わせてやる」の「誰か」を設定しようとしているのでは?
 
「誰かがボケやすい」の「誰か」を設定する
「誰がが笑う」の「誰か」を設定する
これはけして無為なことではない。
 
オオギリストが、他人を意識した行動をとるようになるためだ。
自分が面白いようにことを進める、というのと
他人がボケやすいようにお題を出す、というのはかなり違う。
そしていままでは、「他人」は設定されていなかった。
つまり、悪く言えばなんでもありだった。
 
今回のルール設定は、そのなんでもありを解消するものだ。
こういうのがクソお題なんだよ
こういうのは大喜利PHP的には荒らしと変わりないよ
といった基準を設定することにより、
オオギリストは、何が求められているのかを考えることができる。
「他人」が設定されてはじめて、他人の為に行動することができる。
今回のルール変更はそういう意味で、
「もうちょっと他人のことを考えてみては?」という大喜利PHPからの誘導ともとれる。
 
もっとも、
「ひとりよがりのセックスもあるし、まわりの人を楽しませるオナニーもあります。」
(枡野浩一『かんたん短歌の作り方』筑摩書房)
という言葉もあるので、利他的な考えが面白さを生み出す!
と、一概には言えないところもあるのだけれど。
 
 
ひさしぶりのわりに、なんだか脈絡のない文章だなあ。
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